新年にあたり

 令和3年の幕が開きました。皆様におかれては健やかな初春をお迎えのことと存じます。顧みると昨年は新型コロナウィルスに翻弄された年でした。ウィルスの存在が明らかになってから今日に至るまで感染者数は増減を繰り返し、世界中が混乱を極めています。本県も12月14日に「リスクレベル」を最上位のレベル5(厳戒警報)へ引き上げましたが、新規感染者は高止まり傾向にありクラスターも散発しています。そこで蒲島知事は12月18日「感染急増」している11の都道府県からの年末年始の帰省を自粛するよう県民に要請しました。

 コロナウィルスワクチンを巡っては世界各国で開発が終盤を迎え、英米では承認、一部接種も開始されました。我が国は欧米製薬大手製造ワクチンの供給を受けることで基本合意しており、12月2日「改正予防接種法」も可決・成立しました。接種の主体は市町村、費用は国が負担し無料となり、「接種券」の配布後、市町村や病院窓口で予約のあと接種します。12月18日、米製薬大手から製造販売の承認が厚生労働省に申請されましたが、長期的な有効性と安全性については依然として不明な点もあることや安定的な流通、接種対象・順序、医療体制の構築を考えると、今しばらく時間を要するのではないでしょうか。(12月20日執筆)

 近年、我が国は毎年大規模な災害が各地で発生し、その度に多くの国民の尊い生命、財産が失われています。同時に復旧・復興にかかる膨大な財政支出も続いています。現在、本県は熊本地震、コロナ感染、昨年7月の県南豪雨災害の3つの課題解消に対処しています。中でも県南豪雨災害に関しては、昨年末の定例会において『緑の流域治水』を進めることとなりました。

 拙速では?との声もありますが、被災地域の再興、住民の皆様の生活再建を進めるには将来への道筋と抜本的な対策を一定の時間内に示す必要があります。ややもするとダム建設の是非に焦点が集まりがちですが、『これからも球磨川の清流と共に生き、暮らしていきたい』の流域の皆さんの声をしっかり受け止めて河床掘削、堤防かさ上げ、既存ダムの強化、遊水池の確保、堆積した土砂・流木の撤去等、治水メニューの総力挙げて取り組む予定です。

 県議会議員の役割は県民の最大幸福量向上のためのより良い政策を立案、提案、審議し実行に移すことです。私は本年もこの基本姿勢を堅持し地域の課題にも引き続き全力で取り組んでまいります。

 結びに年明け以降、地域、業界、団体の新年会はじめ多くの行事が既に中止になっています。残念ながら今年は私自身の「新春の集い」も見合わせることと相成り、従来のように直接新年の挨拶を交わす機会がありません。感染が一刻も早く終息し、本年が皆様にとって輝かしい1年になることを祈念し新年の挨拶と致します。