先ごろ、検察は元首相を殺害した被告に無期懲役を求刑しました。
事件の背景には、母親が教団の信者として家族を顧みず、家庭が崩壊状態に陥ったという、極めて不幸な事情があります。
その苦しみや怒りが政治や社会に向かった心情自体は、理解できないものではありません。
特に、元首相が教団と一定の関係を持ち、祖父の時代から、政治と教団が長きに渡って「利用し合う」関係にあった点は、重く受け止める必要があります。
しかし、いかなる理由があろうとも、殺害という行為は断じて許されません。
教団幹部に届かない怒りが、結果として教団と近い関係にあった元首相に向けられたことは、本人の供述で明らかになりました。
この事件は宗教と家庭、そして政治の距離のあり方を、社会全体で問い直す契機であり、1月21日の判決を見守りたいと思います。



