全国的にも、都道府県職員や退職者が市町村の副市長・副町長に起用される例は珍しくありません。
岩手や和歌山、神奈川、大分など各地で、政策連携や即戦力の観点から県OBが登用されてきました。
しかし、熊本県の場合は今年度7月末時点で15自治体、全45市町村の3分の1に上るという規模は、他県と比べても際立っています。
背景には熊本地震後の復興や半導体関連企業集積への対応など、迅速かつ的確な行政運営を求める現場ニーズがあるようです。
一方で、あまりに県出身者が多くなると、市町村のプロパー職員の昇任機会や士気低下、地域独自の行政文化の希薄化といった懸念も否めません。
県と市町村の政策一体化や人材活用は重要ですが、自治体間の自立性や人材育成の観点からも、人数や役割分担のバランスを意識した起用が求められます。
